成瀬映画に登場する風景


『女の歴史』(1963年) F  NEW 2020.7.6


『女の歴史』のラスト前。
信子(高峰秀子)は、亡くなった息子・功平(山崎努)の妻で妊娠している
みどり(星由里子)の住む大蔵団地(世田谷区)の部屋を訪ねる。
隣の部屋の女(みどりの友人=塩沢とき)がドアを開けて、高峰に「みどりさんはお留守ですよ」と話しかける。
刑事ドラマによくある展開。
塩沢は高峰に「みどりさんは病院に行きました。駒沢の国立病院とか」と話す。

駒沢の国立病院でネット検索すると、撮影当時の名称「国立東京第二病院」があった。
現在の名称は「独立行政法人国立病院機構 東京医療センター」(目黒区東が丘)。下記HP写真
病院内は実際のロケーションなのか東宝撮影所内のセットなのかは不明だが、
画面を見るかぎりロケーションの可能性が高い。
20秒たらずのシーンなのでセットを建てることは予算的にもないのでは・・・

高峰は病院を訪ね、外来で星のことを尋ねる。
看護婦は「母子手帳をもらいに来たので検査だけだったようです」と答える。
堕胎手術ではなくてほっとする高峰。

次の場面では高峰がタクシーで再び大蔵団地に行き、団地前の道で星を見つけ
雨の中で星に暴言をはいたことを詫びる。成瀬映画の雨の中でも名シーンの一つ。








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